毎日智積院の前を通って通勤しながら、昔、教室が智積院の中にあった頃のことを思い出しています。ちょっと薄暗い廊下や、歌のクラスの部屋がすごく広くて、小さな折りたたみテーブルがついた椅子がたくさん並んでいたこと、建物の前庭の大きな石にみんなよじ登って遊んでいたことなど、懐かしいですね。1番の思い出といえばやはりオペレッタでしょうか。1回目は小学校4年生の頃に参加した雪の女王です。お姉さん達が優しくて、女王のアリアの歌声がとても美しかったのを覚えています。2回目は中学生で参加したきらめきのサフィールでした。自分が作曲した主題歌を先生方が編曲してくださり、オーケストラで演奏されたのを聞いたときには感動しました。
私は音楽の道に進むことはありませんでしたが、音楽を通じて大切なことを沢山教えていただきました。練習すると弾けなかったフレーズが弾けるようになるので、小さな成功体験を無数に積むことができました。また、1フレーズの積み重ねが1曲になる事で地道な努力が報われる経験をしました。練習をサボったら全部自分に返ってきますし、発表会のステージ上では誰も助けてくれないので、正直である事、結果に責任を持つことの大切さを知りました。
働き始めてからはなかなかピアノに触る時間がありませんが、同僚とトリオを組んで院内コンサートをしたり、保育園のママ友たちと「大人の部活」と称して音楽部を結成して合奏したり、今でも隙間時間を見つけて音楽を楽しんでいます。
突然ですが皆さん、早く、楽に、楽しく楽器の上達をしたいと思いませんか?おもしろくない練習は嫌だし、休みの日ずっと練習するのも嫌だし、練習してからでないと遊びに行かせてもらえないなんて…、もういいから早く寝ようよ…、正直子どもの頃はそのように思うことも少なくなかったです。しかし、皆さんもよくご存じのように、一部の天才を除きそんな簡単に楽器は上達しないというのも現実だろうという気はしています。
上達するには実際に楽器を弾き練習をすることはもちろん大事だし、最も重要なことだと思いますが、専攻以外の楽器を弾いてみる、演奏会に行く、クラシック以外の音楽に触れる、音楽以外の活動や趣味(例えば勉強、スポーツ、映画やアニメ鑑賞、読書、何らかの行事、色んな遊び等々…)に本気になってみる、といったことも練習と同じぐらい大切なことです。
一見楽器の上達と無関係のように見えますが、周り周ってとっても関係しており、遠回りのように見えながらも近道だったりすることがあるということを、自分自身や周りの方たち、今教えている生徒さんたちをみていて最近感じています。
幼い頃から通っていたこの音楽教室は、いつの間にか日常の一つになっていました。長年教室に通っていたことで、共に音楽を学ぶ友達と切磋琢磨でき、様々な先生から、様々な方法、題材、演奏会で音楽を学んだことはとても貴重な経験であり、成長を促してくれた要因の大きな一つです。そしてこれらの経験は現在の仕事に直結しており、ここで出会った仲間や先生方は現在の仕事仲間となることも多く、教室は僕の人生においてかけがえのない場所になりました。
「音楽教室へ通って得た経験」
私が小学校低学年の時にソルフェージュと合奏を習っていました。先生と一緒に作曲を行い、発表会で先生のピアノ伴奏とともにヴァイオリンを弾いたことがとても印象に残っています。子どもながらに音楽に触れることや、合奏ではみんなで演奏できることが嬉しくて、毎週通っていたことを覚えています。練習をしていくうちに段々とみんなの息が合い、一体感を感じ、合奏への親しみが沸きました。楽しくもありながら、自分よりも上手な友達がたくさんいて刺激的でした。発表会では、ソルフェージュを通じて学んだことが発揮でき非常にいい経験となりました。今ではヴァイオリンを弾いていませんが、音楽全般を好きになった理由は、子どもの頃にたくさんの音に触れたからこそだと思っています。